Eclipse Foundation Eclipse Accessibility Tools Framework

miChecker v3への移行について

miChecker v3への移行では、miChecker内で利用しているブラウザをサポートが終了したInternet Explorer相当のブラウザから、 Microsoft Edge相当のブラウザに変更するなどの実行環境の大幅な更新に加え、評価ルールの詳細化および調整を実施しています。 本ページでは、v3.00およびv3.10への移行時に行われた評価ルールの変更について、v2からの差分を中心にその概要を説明します。
(miCheckerの更新履歴の詳細については、miCheckerに付属の「4_更新履歴.txt」もご参照ください)

miChecker v3の評価ルール変更点の概要

同一テキストの繰り返しに関する評価

同一テキストの繰り返しについて指摘を行う際に、同じリソース(URLなど)に対する隣接する画像リンクとテキストリンクが対象となる場合と、連続する画像が対象になる場合で指摘を分離しています。 それぞれの状況に応じて問題点の確認および対応を進めてください。

v2での指摘事項

  • 同一テキストの繰り返しがあります (問題あり)

v3での指摘事項

  • 同じリソースに対するリンクに同一のテキストが繰り返し用いられています。a要素の中に画像とテキストをまとめた上で画像の代替テキストをalt=""と設定することを検討してください (問題の可能性大)
  • 同一テキストの繰り返しがあります。もし支援技術がこの画像を無視するべき場合は、alt=""と設定してください (要判断箇所)

固定サイズフォントが用いられていた場合の評価

対象ブラウザの変更(Internet Explorer相当からMicrosoft Edge相当への変更)に伴い、固定サイズフォントが用いられていた場合の問題の区分を変更しています。 最新のブラウザでは問題とならない場合が一般的になっていますので、もしmiChecker(v2系)を利用して指摘を受けた場合は、対象ブラウザでの実際の挙動を確認した上で必要があれば対応を進めてください (要判断箇所相当として取り扱ってください)。

v2での指摘事項(音声ユーザビリティモード)

  • フォントサイズは相対的な大きさで指定してください。 (問題あり/問題の可能性大)

v3での指摘事項(音声ユーザビリティモード)

  • フォントサイズは相対的な大きさで指定することを検討してください。 (要判断箇所)

補足

  • miChecker v2では、フォントサイズの指定されている箇所(style属性かCSS内かなど)によって指摘の区分が変わります
  • miChecker v3では、ロービジョンモードにおける固定サイズフォント利用に関する指摘も、音声ユーザビリティモードと同様に要判断箇所に変更となっています

複雑なテーブルのth要素とscope属性に関する評価

複雑なテーブル(先頭行もしくは先頭列が全てth要素となっている様な単純なテーブルでない場合)におけるth要素とscope属性に関して指摘を行う際のメッセージを詳細化しています。 テーブルのアクセシビリティ対応については、W3CのWeb Accessibility Initiative (WAI)が提供する Tables Tutorial も参照下さい。

v2での指摘事項

  • th要素にscope属性がありません。scope属性を適切に用いて、データテーブルの見出しセルとデータセルを関連付けて下さい。 (問題あり)

v3での指摘事項

  • th要素にscope属性がありません。scope属性を適切に用いて、データテーブルの見出しセルとデータセルを関連付けて下さい。 (問題あり)
  • th要素が1行目、1列目のみにある単純な表の左上のtd要素にテキストが存在しています。このセルのテキストを削除するか、th要素に変更することなどを検討してください。 (問題の可能性大)

長い代替テキストに関する評価

画像に対する説明に長い代替テキストが用いられていた場合や、長い説明が必要となる場合などに、廃止となったlongdesc属性ではなくaria-describedby属性などの利用を促すよう指摘を変更しています。

v2での指摘事項

  • 画像の機能や情報がalt属性で十分に伝達できない場合、longdesc属性を用いて詳細な情報を提供してください (要判断箇所)
  • 代替テキストが150文字を超えています。longdesc属性などを用いて、代替テキストを別に提供する事を検討してください (問題の可能性大)

v3での指摘事項

  • 画像の機能や情報がalt属性で十分に伝達できない場合、画像の詳細な説明を提供するために aria-describedby などの使用を検討してください (要判断箇所)
  • 代替テキストが150文字を超えています。画像の詳細な説明を提供するために aria-describedby などの使用を検討してください (問題の可能性大)

"本文へ移動"などのスキップリンクおよびウェブページの構造化などに関する評価 (v3.10から)

以前のmiCheckerではウェブページ内に"本文へ移動"などのスキップリンクが提供されておらず、到達するまでに長い時間がかかるコンテンツが存在している場合に問題を報告していました。 miChecker v3.1以降では、"本文へ移動"などのスキップリンクの存在に加えて、main要素などを用いた構造化の有無なども踏まえて指摘を細分化しています。 新しいmiCheckerを用いて指摘事項の確認を行い、その指示に従ってください。

同じ name 属性値を持つtype="radio","checkbox"のinput要素のグループとfieldset要素に関する評価 (v3.10から)

以前のmiCheckerではウェブページ内で同じname属性の値をもつラジオボタンまたはチェックボックス(type="radio"または"checkbox"の input 要素)のグループが同一のfieldset要素に含まれていない場合にこの問題を報告していました。 miChecker v3.1以降では、対象となるinput要素とfieldset要素との親子関係の組み合わせ(WAI-ARIAによるグルーピングを含む)を踏まえて指摘を細分化していますので、新しいmiCheckerを用いて指摘事項の確認を行い、その指示に従ってください。

テキストによる代替に関する評価 (v3.10から)

miChecker v3.1以降では、画像に対する代替テキスト、入力項目に対するラベル、テーブルの名前などの評価に際して、aria-label, aria-labelledbyなどが用いられることを考慮した評価に変更しています。 この結果、以前のmiCheckerで指摘されていた問題が指摘されなくなることがありますが、要判断箇所の指摘事項およびハイライト機能、対応するソースコードの確認機能などを用いて、提供されているテキストによる代替が正しいものか確認してください。 テキストによる代替の提供に限らず、WAI-ARIAを用いる場合には、対象とするブラウザおよび支援技術の組み合わせで正しく意図した通りに動作していることを確認する必要がある点にも留意してください。 W3CのMarkup Validation Service を用いると、WAI-ARIAではなくHTMLの標準的な属性等を用いるべき箇所を指摘される場合がありますので、あわせて確認するようにして下さい。


miChecker に関する問い合わせ

もし、ACTF に起因する問題を発見した場合は、次の Eclipse ACTFプロジェクトのGithubレポジトリ より報告を行うことが出来ます。日本語での対応も可能ですので、是非ご活用ください。

  • 問題報告にはGithubのアカウントが必要になります。初めての際はGithubへのSign Up(アカウントの作成)をお願いします。

miCheckerについて

先頭に戻る